燃える雑記置き場
随分とブログから遠ざかっておりまして、閉鎖も念頭に入れてはいますが…いくつかのメモは残しておきたいところなので、もうしばらくお目見汚しを。
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今回の交配においては、受精後から堅果の回収まで処理を行った枝を網袋によって覆った。もちろんこれによってプレデターの侵入を防ぎ、虫害をある程度緩和することができたのもこの収穫であろうが。
コナラの場合、虫害による被害を完全に取り除いたとしても、すべての雌花がドングリにまで発達するわけではなく、良くて5割成熟すれば万々歳。それくらい、堅果の成熟前落下が多い。この原因は?
今回袋掛けしたことによって、もう一つ収穫があった。
この写真である。

DSCF0688-ani.gif

収穫物は、成熟したドングリ(写真中のA)ばかりでなく、途中落下した雌花あるいは堅果も袋内に留まっていた。これにより、袋内の雌花の行方がすべて把握できる!?

この途中落下した堅果は、B; ドングリとしてある程度発達した堅果と、C; 未発達な、でも少し基部の膨らんだ雌花とに分けることができる。Bでは殻斗の先端からドングリが顔を覗かせており、両者は堅果(ドングリ)が発達しているかいないかによって分けることができる。
生育期間にわたり、堅果の成長度合いを調べてきたが、それぞれの大きさはおよそ、Bが7月から8月、受粉後3ヶ月くらいまで発達した堅果のサイズ。Cは5月の後半以降ってことで、受粉してから一ヶ月そこそこの堅果と推測される。
また、この両者の境となる6月末から7月の上旬にかけては、解剖学的に調査された研究より、おそらく子房内で6つあるうちの一つの胚珠が子房内を占めるようになる時期と考えられる(T. Kanazashi and A Kanazashi 2003)。

つまり…

このように、すべての雌花がいつの時期にどれほど落下したのかを、網袋からの収穫物によって推測することができる!!
かなりの収穫ですよ、これは。

補足:
もちろん、一ヶ月ごとに枝についている生存堅果を数え、落下数と時期を同定することもできるが。それぞれの個体ごと、また枝ごとでも、堅果の生育時期が微妙にずれている(鶴田私信)ため、このような時系列による落下した堅果の分類よりも、形態的に見た落下堅果の方が、途中落下の原因を探るのに適している。もっとも、今回の網袋からは確認できなかったが、受粉処理をした直後の落下雌花なども、数えることができたら…
落下堅果を、1.受精前落下、2.受精後に落下したもの、さらには3.子房内を1つの胚珠が占めるようになった後に落下したもの、とに分類することができる。
この分類を、無受粉処理と自家受粉処理、他家受粉や自然受粉処理との間で比較することにより、途中落下の原因を絞り込むことができないかなぁ~~~~

・・・



なんて考えてきたけど、今回の交配実験では残念ながら検証することができないんです(T_T)
だって、袋の中にイモムシとかいて、雌花や落下した堅果が食べられてしまっているため、すべての雌花の追跡が…無理。
リタートラップのように、きちんと1ヶ月おきに落下物を回収しないとダメですね。
そうなると、離れた場所に試験地があることは不利です。
でもまぁ、いいこと思いついたってことで、来シーズン考慮したいと思います。

[引用文献]
Kanazashi, T. and A. Kanazashi. 2003. Estimation for the timing of the internal developmental processes of acornes from fruit size in Quercus serrata Thunb. ex Murray. J For Res 8:261-266.

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コメント
この記事へのコメント
v-254せっかくのご努力が、余りはかばかしくないのですか。
千に一つのあだもなしのナスだって、実らないのはあります。単に下手だったからかもしれませんが--。それに、みかん類は花が咲いただけ実がなると大変です。多分、1/30以下だと思うんです。
ドングリ達でも、受粉成功でも、同じだけは実らないんでしょうね。
2005/10/25
(火) 10:46:31 | URL | kazuyoo60 #-[ 編集]
作物の場合、気象に左右されない肥培管理を完成させることが目標。
自然の植物の そんな生理落果の原因が解明されると、その繋がりが面白そうですね。
2005/10/25
(火) 21:20:45 | URL | rei2 #-[ 編集]
>kazuyoo60さん
そうですね~。
ものによってはつけた花のうち全部実る種や、5割ほどが実るもの、あるものは1割、また別の種は1%だったり・・・
この違いはなんなんでしょうね~。
でも、それが、それぞれの種において、適応的な意味があったのなら、とぉっっても面白いなぁ~、と思っています。
2005/10/26
(水) 11:40:04 | URL | 燃海 #LfSnBEJ6[ 編集]
>rei2さん
その年、それだけの雌花を着けるかを決定する要因は?
その年、いくつの堅果を着けることができるのかは、どこで決まる?

私の予想では、前年の余剰生産や、その年の稼ぎが大きな要因となってくると思っているのですが。

それらが解明されれば、「気象に左右されない」ではなく、その年の気候に見合った栽培管理法の提案、と言ったことができるのではないでしょうか。

自然科学で見つけられた知見は、きっと栽培に役に立つと思います。もちろん、それにはいくつかの段階を踏む必要でしょうが。

ブドウの着花量などの研究の方が進んでいるかも。園芸・栽培の分野の学会には行っていないのでアドバイスできませんが…
2005/10/26
(水) 11:50:27 | URL | 燃海 #LfSnBEJ6[ 編集]
そうなんですね、気象に左右されないということは、過去を判断し、先を見越して管理に当たる。
およそ ひと月前に何をやったか・・・。成長点の中で細胞分裂が行われている、今の結果がひと月たって現れる。
その事が現場では、もっと短期間の事でしか見られていない。

あ~なんか表現できないな。
ちょっとおかしくなってきたかな、またね。
2005/10/27
(木) 21:12:36 | URL | rei2 #-[ 編集]
>rei2さん
うん、なんとなく言わんとすることが伝わってきます。
私の場合は生産と直結していないので、薄れがちですが。シロウトが使えなければ、扱えなければ、いい科学とは言えないのでは?こういった話は聞かれます。
いくら研究によってすばらしい生産方法が確立されたとしても、実験室でしかできないものだったら意味ないですよね~。
2005/10/28
(金) 00:46:19 | URL | 燃海 #LfSnBEJ6[ 編集]
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