燃える雑記置き場
随分とブログから遠ざかっておりまして、閉鎖も念頭に入れてはいますが…いくつかのメモは残しておきたいところなので、もうしばらくお目見汚しを。
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今更ながら、桜の学名についてちょっと自分の考えを記載。
Prunus」 or 「Cerasus」?

ずいぶんと前に取り上げたネタですが…
現在いわゆる「桜」の学名には、属名を「Prunus」とするか「Cerasus」とするかの二つの説があります。
おぉ、3年前の記事ですね^^;

以後、私はサクラ属を「Cerasus」と表記するようにしています。
Ohba (1992)以来、最近では桜の本(e.g. 新日本の桜, 大場ら, 2007, 山と渓谷社)やネット上(e.g. このはなやさくや図鑑)でもこの説が支持されるようになってきています。
また、chloroplastやITSシーケンスなどの遺伝分析により、Lee and Wen, 2001をはじめとし彼らの最近の成果(Wen et al., 2008)は、広義のサクラ属(従来のPrunus)はいくつかのクラスター(群)に分けられることを示している。もっとも、そのクラスターと現在付けられている亜属の分類名とが一致しないため、広義のサクラ属は当分、今まで通りPrunus の一括りでいいんじゃね的な感じですが。

こうなってくると、種や属の定義って何だって話になってきますが。
ま、実際私は分類屋さんじゃないし、どっちでもいいといえばいいんですがね~

ただ従来の Prunus だと、いくつかの種名が気に入らない。

例えば、エドヒガンの学名は、枝垂れ型のイトザクラ(シダレザクラ)に1883年にMaximowiczが先に種としての名前を付けていたため(Prunus pendula Maxim.)、野生の種には Prunus pendula Maxim. f. ascendens (Makino) Ohwi というややこしい名前が付いている。
この「f.」というのは「forma」の略で、品種を意味します。



エドヒガンは品種ちゃうわー!!ヽ(#゚Д゚)ノ ゴルァァ
と、なるわけです。

これが属名変更された方ですと、エドヒガンは Cerasus spachiana Laval. ex H. Otto. と、イトザクラはエドヒガンの種名に品種名が示された Cerasus spachiana 'Pendula' となり、大変納得のいくものとなる。
他にも、オオシマザクラが Prunus lannesiana (Carr.) Wilson var. speciosa (Koidz.) Makino と亜種として扱われていたものが(これもサトザクラが初めに登録されたためか)、Cerasus speciosa (Koidz.) H. Ohba となるなど、感覚に合う。

たかが学名。ですが。

どこまでを同じ属とするのか、どれほど違えば種・亜種と分けるのか…植物だと特にあいまいですし。
結局は種や属の定義って、“人”が分類する際の一指標だと思うんですよね。
(もちろんそれは植物のたどってきた系統の違いを反映した)
つまり、人にとって扱いやすい名前であることが、私は一番なのではと思うのです。

何が言いたいかというと、種とか分類はよく分からないけど、Cerasus にした方が私は使いやすい、ということです^^;


    ---Ref.---
  • Lee S and Wen J (2001) A phylogenetic analysis of Prunus and the Amygdaloideae (Rosaceae) using ITS sequences of nuclear ribosomal DNA. Am J Bot 88: 150-160.

  • Ohba H (1992) Japanese cherry trees under the genus Cerasus (Rosaceae). J Jpn Bot. 67: 276-281.

  • 大場秀章・川崎哲也・田中秀明・木原浩 (2007) 新日本の桜. pp263, 山と渓谷社. 東京.

  • Wen J, Berggren ST, Lee CH, Ickert-Bond S, Yi TS, Yoo KO, Xie L, Shaw J, and Potter D (2008) Phylogenetic inferences in Prunus (Rosaceae) using chloroplast ndhF and nuclear ribosomal ITS sequences. J Syst Evol 46: 322-332.

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